内容証明を送ったのに無視されるのは何故

妻の不倫相手に内容証明を送りましたが、期限を過ぎても無視されています。法的措置を取ると書いたのですが、何故無視されるのでしょうか?無視する動機として、どういったケースが考えられますか?

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考えられる動機

無視すれば諦めるかもしれない

「法的措置を取る」と書いたところで、実際に法的措置を取るには、ほとんどの人は弁護士に依頼する必要があります。そのため、弁護士に依頼せずに、自分で内容証明を送ったとしても、まだ法的措置を取る準備ができていないということを自白しているのと同じです。このことは、相手が内容証明を持って法律事務所に相談すれば、すぐに分かりますから、とりあえず無視しておこうと考えるケースがあります。

弁護士に依頼して内容証明を送ると無視される確率はグンと下がります。しかし、それでも無視する人は稀にいます。「法的措置」を取ると書いても、脅しに過ぎず、実際に法的措置を取られることはないだろうという現実逃避的な考え方をする人は一定数存在するのです。

どうしようもないので放置するしかない

たとえば、慰謝料100万円を請求された人が、それを支払えない場合、普通なら、100万円より下げて欲しいとか、分割払いの交渉をするでしょう。しかし、100万円より下がる見込みがなく、分割にも応じて貰えそうにない場合、交渉するだけ無駄ですから、放置するしかないというケースが考えられます。

また、他にも負債があり、自己破産などを検討している場合も、回答せずに、放置する対応が考えられます。自己破産すると、慰謝料債務も免責されるので、支払う意思があるかのような態度を取るのは、かえって不誠実と言えます。かといって、まだ弁護士に自己破産を依頼していない段階で、「自己破産するつもり」などと言うのも、相手を怒らせるだけです。そのため、弁護士に自己破産を依頼するまでの間、回答自体しないということが考えられるのです。

支払う意思がない

不貞を否認する場合など、支払う意思がない場合に、内容証明を無視するという態度に出る人もいます。内容証明を送った方としては、支払いを拒否するとしても、何らかの回答をするのが誠実だろうと感じますが、回答する義務はないので、このような態度に出る人も存在します。

無視された理由を考えても仕方ない

内容証明を送っても、相手が無視するというのは、実務上は珍しくありません。法律上支払義務があるからといって、金を払えと言われて、素直に支払う人は少数派なのです。

依頼者の方から、「相手は一体どういうつもりなんでしょうか?」と訊かれることもありますが、相手の考えは、弁護士にも分かりません。それに、こういう場合に、相手がどういうつもりかを推測したところで、仕方がありません。

事実としては、内容証明を送っても支払ってもらえず、何の回答もなかったということですから、手段としては、更に請求書を送り続けて回答する気を起こさせるか、それでもダメなら、訴訟を起こす以外の方法はないのです。

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