訴訟を起こすべきか

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訴訟はできれば避けたい?

「訴訟はできれば避けたい」と言われる方は少なくありません。

もちろん、印紙代などの費用が掛かるので、訴訟を避けたいのは当然ではありますが、裁判沙汰は大ごとだとか、時間がかかるとか、面倒といったイメージもあるからかもしれません。

しかし、いくら証拠が揃っていて、こちらの言い分が正しくても、相手が慰謝料の支払いを拒否すれば、強制する手段は訴訟しかないのです。

また、訴訟を避けたいという意向は交渉において不利に働くことになります。

慰謝料を請求された側としては、とりあえず低い金額で交渉しておいて、訴訟されそうになった時に高い金額を提示すればよいと考えるからです。

最初から訴訟も辞さないという姿勢を示すことは交渉上も極めて重要なのです。

訴訟しても上手くいかない可能性は?

普通は交渉が上手くいかないから訴訟を検討するという順番ですから、「交渉が上手くいかなかったから訴訟も上手くいかないのでは?」という不安を感じるのは仕方ないことです。

しかし、訴訟は司法という国家権力を利用するものですから、交渉とは全然違います。

訴訟は放置すると自動的に敗訴するシステムですし、判決を取れば財産を差し押さえることもできるので、相手も真剣に対応せざるを得ません。

訴訟しても上手くいかない可能性は、大きく分けて、証拠不十分で敗訴する可能性勝訴しても相手に財産がなく回収できない可能性の2つです。

①は、弁護士とよく相談すれば、どれくらいのリスクか事前に判断することができます。②は、相手の財産を事前に知ることはできないので、予測が難しい場合もありますが、勤務先が分かっていれば給与を差し押さえることができますし、生活保護受給者でない限り、探せば何らかの財産はあるのが普通だと思います。

交渉が上手くいかなかった時点で漠然とした不安を感じられる人が多いと思いますが、ほとんどの場合は、訴訟を起こした方が良い結果が得られると思います。

訴訟を起こすとどうなるか

出廷は不要(尋問を除く)

訴訟を起こしても、ほとんどの期日は弁護士だけが出廷することになります。

わざわざ平日に裁判所に行く必要はありません。

尋問期日には本人が行く必要がありますが、不貞慰謝料事件では、尋問まで行かず、途中で和解になることも珍しくありません。その場合、本人は1回も出廷しないということもあります。

ほとんどの期日は非公開

裁判というと、公開の法廷で原告と被告が対峙するイメージがあります。

しかし、民事訴訟は、弁論準備手続という非公開の期日が大半を占めます。最近では、電話会議やWEB会議といった準備手続も実施されていますが、これも非公開です。

尋問を実施する場合は公開の法廷で行いますが、尋問まで行かずに途中で和解になることは珍しくありません。

期間は6か月~10か月くらい

裁判というと1年くらいかかるイメージを持っている人もいますが、争点が少なければ、早期に裁判所から和解勧告がなされ、数か月で終了することもあります。

不貞慰謝料事件の場合、6か月~10か月程度で終了することが多く、1年を超過することは稀です。

相手の対応が不誠実な場合、延々と交渉を続けるよりは、訴訟を起こした方が、結果的には早く解決することもあります。

和解率が高い

不貞慰謝料事件では、他の事件に比べて、経験上、和解になる率が高いと言えます。

長々と法廷で争って、判決を取っても相手が従うか分からないというイメージを持っている人がいますが、現実の裁判は、必ずしもそうではありません。

裁判上で和解をすれば、被告も和解通りに支払う可能性が高いのです。

訴訟しやすい料金体系の弁護士に依頼を

訴訟は重要な選択肢なので、いざという時は、きちんと訴訟を起こせる弁護士に依頼した方が良いでしょう。

その際、重要となるのは料金体系です。

印紙代や郵券代といった実費がかかるのは仕方ありませんが、訴訟移行の追加着手金や、出廷日当がどれくらいかかるかを確認しておきましょう。

これらの費用が高すぎると訴訟という選択肢が取りづらくなり、せっかく弁護士に依頼したのに最重要の武器が使えないという事態になりかねません。

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