不貞慰謝料の時効

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不貞慰謝料の時効

不貞慰謝料の時効は、損害及び加害者を知った時から3年(民法724条1号)です。

「損害を知った時」は、不貞の事実を知った時、「加害者を知った時」は、配偶者の不貞相手が誰なのかを突き止めたときです。これらは、いずれも、慰謝料請求が可能な程度に知る必要があります。時効制度は、「権利を行使することができるにもかかわらず、一定期間行使しないこと」で、権利の消滅を正当化するものだからです。

相手がいつ知ったかを証明するのは簡単ではない

内容証明郵便が届いた場合、遅くとも作成日には、損害及び加害者を知っていたことになるでしょう。また、LINEやメールで慰謝料請求を受けた場合、それを残しておけば、時効の起算点を証明することができます。

しかし、そういったものが残っていなければ、請求側がいつ不貞の事実を知ったのかを証明するのは簡単ではありません。相手が知ってから3年以上経っていることを証明しなければならないのは、請求を受けた側なのです。

時効は援用しなければ効果が無い

時効期間が経過しても、援用しなければ、慰謝料債務は消滅しません。そして、時効期間が経過していても、援用せずに支払う約束をしてしまった場合には支払わなければならないのです。訴訟を起こされた場合も、きちんと援用しなければ敗訴してしまいます。

訴訟を起こされていない場合に、時効を援用するべきかどうかは、事件の内容によります。請求側からの連絡を止めさせたり、第三者に暴露するなどの行為を抑止したり、諦めさせるのに必要な場合には、時効援用することも考えられるでしょう。

しかし、せっかく請求が止んでいるのに、下手に時効を援用した結果、請求を焚き付けてしまうということも考えられます。時効の起算点が確実に証明できるのであれば良いのですが、証明に失敗する可能性があるなら、時効援用しない方が良い場合もあるでしょう。

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